バイラテラル制御(双方向力伝達)

リーダー(操作側)とフォロワー(作業側)のアーム間で位置と力を双方向に伝達する遠隔操作・制御方式。フォロワーが受ける反力をリーダー側に提示することで、操作者が触覚フィードバックを「感じながら」デモを収集できる。

模倣学習データ収集における意義

通常の位置制御テレオペは力フィードバックがなく、収集されるポリシーが触覚非依存になりがちで、力加減のできない動作を学習してしまう。バイラテラル制御では作用反作用が操作者に返るため、接触リッチなタスクの自然な力加減を含むデモが得られる。これは VTLA の根本的なデータ収集課題への一つの解。

Bi-ACT / Bi-LAT

LAT は外乱オブザーバで実トルクを推定し、角度 + 角速度 + トルクを出力する ACT 拡張。位置追従と作用反作用を両立するハイブリッド制御で駆動する。Bi-LAT はさらに自然言語指示を加え、力加減を言語で制御する。

制御方式の位置づけ

VTLA の制御方式は ① 位置出力→位置制御、②-a 力補正付き(Tactile-VLA: 力誤差が閾値超過時のみ位置補正)、②-b ハイブリッド(ForceMimic: 予測力の大小で位置/力制御を軸ごとに切替、Bi-ACT/LAT: バイラテラル)に分類される。バイラテラルは ②-b に属する。

関連: tactile-sensing-for-manipulation / bilateral-control / control-theory-laplace

VLA への力情報の注入方法(FVLMoE / DePost / DePre)

VTLA(力情報を扱う VLA)で、トルク・触覚などの力モーダルをモデルのどこに・どう注入するかの設計空間。注入位置がデコーダ側に近いほど、また融合機構が高度(MoE/MLP)なほど性能が高い傾向がサーベイで確認されている。

注入位置の分類

  • ① VLM 側: 力データをトークン化し VLM へ入力。採用: OmniVTLA / Tactile-VLA / VTLA。VLA-Touch は触覚を言語化して VLA 本体を未改変のまま使う変種。
  • ②-a AE 側 (MoE): ForceVLAFVLMoE — VLM 出力トークンと推定外力(6軸)を4エキスパート MLP + Top-1 ルーティングで動的融合。
  • ②-b AE 側 (MLP): TA-VLADePost — 関節トルク履歴を MLP で1トークンに集約し、AE の状態入力 q_t のに追加([MLP(τ), q_t])。q_t 自体は変えないので π₀ の事前学習パターンの崩れが小さい。
  • ②-c 直接結合: TA-VLA の DePre — q_t のゼロパディング次元にトルクを埋め込み1トークンのまま。q_t の中身が変わるため ②-b より性能低下。LAT も直接結合。

なぜトークン数を増やさない方がよいか

トルクは接触の瞬間に急変するため、1フレームでは傾向が読めず過去数フレームの履歴が要る。だが各フレームを別トークンにすると π₀ が事前学習で覚えた入力パターンが崩れ性能低下。情報が多少落ちても履歴全体を MLP で1トークンに集約するのが最良。

性能比較

ForceVLA(プラグ挿入):

融合方式成功率
ベースライン π₀45%
① VLM 前に linear55%
VLM 後に concat60%
②-a FVLMoE80%

TA-VLA(ボタン押し / 充電器挿入):

融合方式ボタン押し充電器挿入
π₀5/200/20
① Enc7/208/20
DePre8/2011/20
②-b DePost10/2012/20

総じて TA-VLA: ②-b > ②-c > ①、ForceVLA: ②-a > concat > ① > π₀。デコーダ側で MoE/MLP 融合するほど高性能。

関連: vtla / tactile-sensing-for-manipulation / vla-architecture / bilateral-control