制御理論とラプラス変換

フィードバック系の安定性を、ラプラス変換と差分微分方程式で解析する古典制御の枠組み。授業ノート「ネットワーク化制御工学」を中心に、力覚通信(遅延のある遠隔操作)への応用が論じられている。

遅延フィードバックと差分微分方程式

ネットワーク越しに力を伝える力覚通信では、 時間前の状態を参照するため遅延フィードバック制御になる:

と置くと特性方程式 が得られ、その根が解の挙動を決める。無次元化した (遅延が時定数の何倍か)で安定性が決まり、

  • :振動せず 0 に収束(良い QoS)
  • :振動しつつ収束
  • それ以上:振動して発散

抵抗係数 (一次遅れ要素=ローパスフィルタ)を入れると安定化するが遅延が増え、手の振動を吸収する一方で 2 次の項が入り実根範囲が狭まって振動しやすくなる、というトレードオフがある。

ラプラス変換と伝達関数

ラプラス変換 は微分を 倍に、関数の和を変換の和に対応させ(線形性)、高階微分方程式を多項式で扱える。例 、逆変換で

入出力のラプラス変換の比が伝達関数。CR 回路は で一次遅れ要素になり、インディシャル応答・インパルス応答(ディラックのデルタ)・ランプ応答で特性を調べる。むだ時間要素 の伝達関数 は多項式でないため扱いが難しい。

安定性の図的判定

有理伝達関数はゲインと位相で表せ、ボード線図(ゲイン線図・位相線図)やベクトル線図(右回り=安定、左回り=不安定)で系の安定性を判定する。古典制御は線形・安定時の解析に強いが、過渡応答や人間を含む系には限界がある。

関連話題

  • Chains of Recurrences:漸化式 で多項式評価を逐次差分で高速化する手法。
  • 強双対定理:線形計画の主問題に最適解があれば双対問題にも最適解があり値が一致する(最適化の基礎、ゲーム理論とも関連)。

関連: information-theory / game-theory / _moc-math