論理哲学論考 (Tractatus Logico-Philosophicus)
Ludwig Wittgenstein 前期の著作。経験を超えた形而上学的事項は議論できないとして、「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」で締めくくる。命題に 1, 1.1, 1.01… と階層的番号を振った全526個の命題からなる。
7つの命題
- 世界は成立している事柄の総体である — 世界はモノの総体ではなく事実(=真である事柄)の総体。事柄/事態は真偽を問わない。
- 事実とは事態の成立。論理空間は事柄の総体で、我々は事実の像(現実の模型)を拵える。論理形式は世界が持ち、写像形式はその部分(例: 音楽は音の側面のみ切り取る)。
- 事実の論理像が思考。論理空間の内部のみ思考できる。
- 思考=有意味な命題。世界を命題でどこまで記述できるか。
- 命題=要素命題の真理関数。要素命題を極限まで細かくした「名」は単体で取り出せない。複合命題は否定・連言・選言・条件で構成。
- 真理関数の一般形式 。 は一般化された否定(xor 的)。
- 語り得ないことについては沈黙しなければならない — 論理形式自体(
isの説明など)や形而上学的なもの(神・美)は語れない。
前半は写像理論、後半は論理関数。記号論理学(命題論理・述語論理)の哲学的背景をなす。哲学 クラスタの近現代分析哲学の起点。関連: literary-criticism-history / _moc-book-notes