文学批評理論の歴史
筒井康隆『文学部唯野教授』(作中で唯野教授が文学理論を講義するメタフィクション)を読んで、文学批評の進歩の流れを整理したメモ。印象批評 → 新批評 → 現象学 → 記号論 → 構造主義 → ポスト構造主義 → 精神分析批評 という系譜をたどる。
主要な批評理論
- 印象批評(19世紀後半〜20世紀): 批評家の感性・知性に与えた印象で評価。全方位の教養を要する(小林秀雄が代表例)。
- 新批評(ニュー・クリティシズム)(1930-50 米): 詩を対象に、作品を自律的なものとして形式分析する。作家の伝記や時代背景を排する。
- 現象学: フッサール現象学 による批評。意識を問う。
- 記号論: ソシュール。シニフィアン/シニフィエ。意識と対象の間に記号を置くことで存在や意識を疑似的に論じる。
- 構造主義(1960s 仏): 人間の思考は社会システムによって無意識に形づくられる。
- ポスト構造主義(1960s後半-70s 仏): 構造主義を批判的に継承し、主観性の哲学・形而上学的思考を脱構築する。
- 精神分析批評: フロイト、ラカン、ユングの手法を文学批評へ。
文学批評史をたどると近代哲学史に接続する、というのが読後の結論。tractatus-logico-philosophicus / heidegger-being-and-time と同じ思想史圏。関連: _moc-book-notes