フッサール現象学(ノエシス・ノエマ)

意識の志向性を分析するフッサール現象学の中心概念群。意識はつねに「何かについての意識」であり、その作用的側面と対象的側面を区別する。

  • ノエシス(noesis): 意識の作用的側面。意識が志向的対象に意味を与える作用、すなわち志向的作用そのもの。
  • ノエマ(noema): 意識が志向的に向かう対象的側面。作用によって意味づけられた対象。

ノエシスとノエマは対の関係(ノエシス ↔ ノエマ)にあり、意味付与作用と意味付与された対象という相関をなす。

主客未分との関係

西田幾多郎の哲学では、主体と客体がまだ分かれていない融合状態を主客未分と呼び、『善の研究』ではこれを「純粋経験」と表した。

西洋哲学はデカルトの心身二元論を起点に「物質」と「精神」、ひいては「人間 ↔ 自然」を対立概念として扱ってきたのに対し、日本的な考え方(アニミズム的世界観)は主客の融合に親和的だとされる。現象学のノエシス/ノエマの相関構造は、この主客の分離以前に立ち返ろうとする視点とも響き合う。

関連: _moc-misc-other / dialectic-aufheben