古典群・行列群

雪江『群論入門』2.1, 2.3, 4.1(yukie-algebra-group-theory)。群論の具体例の大半は「行列のなす群」から来る。一般線形群を母体に、保たれる構造(行列式・内積・反対称形式・エルミート形式)で部分群を切り出すのが古典群の作り方。これらは正規部分群群作用の標準的なテストベッドになる。

一般線形群とその部分群

母体は 一般線形群 正則行列全体、積について群)。 も同様。ここから保存量で部分群を定義する。

定義保つ構造
特殊線形群 体積(向き付き)
直交群 標準内積
特殊直交群 内積+向き(回転)
シンプレクティック群 反対称形式 J_n=\begin{psmallmatrix}0&I_n\\-I_n&0\end{psmallmatrix}
ユニタリ群 エルミート内積
特殊ユニタリ群 エルミート+向き
モジュラー群 整数格子

これらが群をなすことは、保存条件が積・逆元で閉じることを直接計算で確かめる(例: )。整数係数の では逆行列が余因子行列 から整数になるため が単元条件になる。

包含と正規性

包含写像 などは準同型。行列式準同型 の核が なので

同様に の核が から )。これは準同型定理の典型的な応用。

二面体群

角形 (頂点 )を保つ の部分群が 二面体群 。回転 と鏡映 で生成され、

という関係を満たす( で挟むと回転の向きが逆転)。元は 個で、 はすべて位数2の鏡映。回転 、鏡映は で区別される。 は平面の回転全体。

四元数群・その他

  • 四元数: i=\begin{psmallmatrix}\sqrt{-1}&0\\0&\sqrt{-1}\end{psmallmatrix}, j=\begin{psmallmatrix}0&1\\-1&0\end{psmallmatrix}, k=\begin{psmallmatrix}0&\sqrt{-1}\\\sqrt{-1}&0\end{psmallmatrix} が生成するハミルトンの四元数群 は位数8の非可換群(クラインの四元群とは別物)。
  • 置換行列 成分が1)は の単射準同型を与え、。これがケーリーの定理(任意の有限群は対称群に埋め込める)の行列版。像は Weyl 群

群作用としての視点

に線形に作用する(準同型 群の表現)。 への作用は軌道が同心円 (等質空間)、原点以外の点の安定化群は自明。こうした作用の軌道・安定化群の解析が軌道・安定化群定理へつながる。表現論・ガロア理論の対称性の言葉もここが出発点。

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